フェレット(ゼル)の死。

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今回の内容はタダの独り言になると思う。

なんだかモヤモヤして悲しいんだか、情けないんだか、

良く分からない感情。

 

そんな感情も月日と共に薄れていくものだと思うと、

それもまた悲しい事だと思うから

ここに記しておくことにする。

 

まだまだ先があると思ってここには書いていなかったけど、

うちにはフェレットがいた。

 

名前はゼルっていう名前を付けた。

 

何処かの言語で『いたち』っていうのが

ウィーゼルだかウィーズルだかって言うって事なんで

そこから取った名前だった。

 

始まりは唐突で、GW前ぐらいだったかな?

奥さんから「フェレット買っちゃった!」っていうLINEが来た。

 

その時はまだ本当に買っていた訳では無くて、

こっちの反応を見たかったみたい。

怒られるのが嫌だったとかなんとか。

 

それしきのことで僕が怒るはずもなく、

だけど、よく考えてからにしなさいという話になった。

 

だけど、飼いたくて堪らない奥さん。

 

決して安いとは言えない金額ではあったけど、

あまり物をねだる事も無い奥さん。

子育てにも辛い事もあるんだろうし、

楽しみの一つになってくれるならそれぐらい構わないと思った。

 

娘にとってもいい影響があるように思えた。

 

ケージも無かったから

ホームセンターに行って手作りのケージも

作ったりした。(結局使わなかったけど)

 

記憶の限りでは、GW明け位にうちに来たように思う。

 

特段感動も、気持ちが揺らぐとかも無かったけど

まぁ、可愛いものだなと。

 

奥さんは前にフェレットを飼ってた。

その時僕にはあまり懐かなくて、足やらなにやら

噛まれていた思い出があるからまたそんな感じなのかなー位。

 

正直、僕はゼルとの思い出はあまり無い。

 

遊ぶといっても何をしたらいいのか分からなかったし、

僕自身も時間的な余裕は無かったから。

 

時々ケージの外を駆け回っているのを見ていたくらい。

 

基本的に世話には手を出さない様にしていたし、

僕から率先して構いに行く事も無かった。

 

だけど、

娘と遊んでいる(?)姿は微笑ましかったし、

娘も可愛がっているように見えた。

 

ここのところ元気が無くて、

僕は冗談で「もう死ぬんじゃないか?」なんて

言っていたりした。

 

僕は死ぬことなんてまだ無いと思ってた。

だって、うちに来てからまだ間もない。

 

生後どれくらいでうちに来たのかは覚えていないけど

調べていた限りでは、

まだまだ生きるものだと思っていたから。

 

奥さんは「もしかしたら…」なんて思っていたようだけど。

 

ケージを買って、

それが自分の近くにある事も当たり前の事だった。

うんこしてたらちょっと匂うのも当たり前だった。

 

娘に抱っこされて

ちょっと窮屈そうなのも見慣れた。

 

今日の夕方ごろ奥さんから

「ゼル死ぬかもしれない」っていう連絡があった。

 

ゼルは体調悪そうだったし、

心配し過ぎなんじゃないか、なんて思ってた。

 

動物は結構強いものだっていうイメージがあったから

何かしらの病気だとしてもその内治るんじゃないかって

勝手に思ってた。

 

「家に帰ったら様子を見てみて」

って言う事だったから帰ったら見てみようと思った。

 

見てみて、「大丈夫だよ」って送るもんだと思ってた。

 

帰宅して、見てみた。

 

いつものように丸まってた。

 

でも、ピクリとも動かない。

 

違和感があった。

 

ケージを開けて触ってみた。

 

冷たい。

 

その瞬間、死んだんだってわかった。

 

だけど僕はやっぱり泣いて悲しむ事は無かった。

寧ろ、悲しいという感情も無かった。

 

僕は薄情な人間なんだろうか?

 

ゼルを手に取ってみる。

力なくだらんと冷たい。

 

目は半開きで、眼球は見えない。

 

僕はゼルに何をしてあげられたんだろう?

ゼルは幸せだったのだろうか?

まだ、一年も生きていないだろうに。

 

何がいけなかったのだろう?

何故死んでしまったのだろう?

何かの病気だったのだろうか?

 

いつ死んだんだろう?

誰もいない部屋で、

僕が帰って来るまでの間どれだけの時間があったのだろう?

 

最後は苦しんだんだろうか?

眠りにつく様に息を引き取ったんだろうか?

 

寂しくは無かっただろうか?

 

ふと、携帯でフェレットの死について調べてみる。

 

そこかしこで

愛するペットが死んでしまったと悲しむ人がいた。

「フェレットロス」なんて言葉もあった。

 

そこまで悲しくはない。

 

それはただ単に過ごした日数だけの問題なんだろうか?

そんな事考えたって何も変わりはしないのだけど。

 

ゼルをそのままにして置く訳にはいかない。

 

どうするのであれ、

なるべくなら綺麗な姿のままでいさせてあげたい。

 

段ボールにタオルを敷いて、

保冷剤と一緒に包んだ。

 

こうしてやることがゼルの為になるのかどうかは

分からない。

 

僕は恨まれているのかもしれない。

嫌われているのかもしれない。

 

そんな事、生きていたって

死んでしまった今だって分かりはしない。

 

ゼルは、幸せだったか?

 

僕はこっぱずかしくて名前を呼んでやることも

殆どなかった。

 

ゼルは、幸せだったか?

 

『幸せ』とは誰が決める物なんだろうな。

 

うちに来ること自体が幸せなのかもしれないし、

その逆かもしれない。

 

もう少し、構ってやったら良かったかもなぁ…。

なんて思ったりするのも押しつけがましいことなのかな?

 

天国に行ってね、とか

安らかにね、とか

ありがとう、とかそんな事は思わないし

言ってあげようとも思わない。

 

それが間違っているなんて言わないけど、

僕は、それが自分主観での言葉であるように思うから。

 

いつか、死ぬものだったのだから。

 

僕も、ゼルも。

 

それが少し思っていたよりも早かっただけ。

 

別に、悲しくは無いんだよ。

 

トイレの砂の袋と、空のケージと、

段ボールを見ると寂しいというか、切ないというか、

そんな気持ちになるだけで。

 

少なくとも、

悲しまれるためにうちに来た訳じゃないんだろう?

 

たとえ短い期間でも

ゼルがいたことは紛れもない事実で、

それに触れあった娘も、僕も、奥さんも

忘れる事は無いんだろう。

 

別にね、悲しくなんて無いんだよ。